『人は何によって生きるか』
レフ・トルストイ・作
石川森彦・画
亀山郁夫・解説
1200円(税別)
トルストイ、髭のイメージがありますが、イメージ通りのお顔の写真がバーン!と表紙になっています。
余談になりますが、WIKIPEDIAの孫娘と一緒に写っている写真は、とても素敵な一枚だと思います。
中の帯には
「「人としてのあり方と人生の意義を問う」
名作『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』で知られるロシアの文豪トルストイが、心血を注いだ創作民話」
とあります。
トルストイ・・・
ドストエフスキーの作品は何作品か読みましたが(ロシア文学は登場人物の名前を覚えるのに一苦労します・・・)、トルストイの本は読んだ事がないなぁ~と思い、漫画なら気軽に読める!と手にしたのでした。
表紙の帯に
「ウイズコロナの世界に心震わせる文豪の名作が甦る!」
とあるように、原作に付け加えて、現代パートの日本から始まります。
日本のパートの後、『人は何によって生きるか』が始まるのですが、登場人物の名前も分かりやすくサクサク読む事が出来ます。
神様が出てくる話なので、ロシアはキリスト教か・・・(無知で・・・すみません)と思いながら読み進めました。
個人的には、キリスト教的な一神教よりも、日本の考えの何でも神様にしてしまう八百万の神がしっくりくるのですが、神が与えた3つの問いの答えは一読しただけでは腑に落ちませんでした。
後半の現代のパートの説明、解説が分かりやすく、さて、もう一度読み返してみるか、と再読しました。
☆☆☆☆☆
今回のコロナは、一部の心ない方々の行動が周囲に非常に迷惑をかけている状態になっています。
日本は基本的に清潔で、一人一人がしっかり考えて行動し、他人に迷惑をかけないで行動しようとする方が多いと思います。
コロナ禍で思い出したのは、映画「ペイ・フォワード」。
「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら何をする?」という教師の問いに、
「自分が受けた善意や思いやりを、その相手に返すのではなく、別の3人に渡す」という考えを持った少年が、ペイ・フォワードを実行していく映画です。
小さな事の積み重ねが世界を変えていく。
日本には古くから恩送りという言葉がある通り(歌舞伎の『菅原伝授手習鏡』、何度も観ましたし、故中村勘三郞の名演には涙も出ました)、「恩」が世の中を回っていくという、とても良い習慣が根付いていると思います。
ひとりひとりがそういった心の余裕を持って生きていくと、このコロナ禍の世の中も悪い方向にはいかないのではないかなぁ・・・と思います。
コロナの影響だけでなく、自然災害も多く、とてもそんな気分になれないかもしれません。
追い込まれた時に、深呼吸して、自暴自棄にならないこと、とても大事なことだと思います。
☆☆☆☆☆
話がそれてしまいましたが、タイトルだけでも、自分は何によって生きるか、を考えてしまいました。
流石、ロシアの文豪です。