『村上T
僕の愛したTシャツたち』
マガジンハウス
1800円(税別)
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中央線つながり(村上春樹は国分寺にジャズ喫茶を開いていたことがある)で本日は村上春樹氏の本をご紹介。
村上春樹氏は京都出身の関西の方。
あまりそういうイメージがありません。
文章で関西弁が出てこないからかな・・・。
本書は『ポパイ』に連載されていたエッセイをまとめたものです。
海外では本を出版する際に販売促進のためにTシャツやトートバック、帽子がつくられるそうです。
面白そう!日本でもやって欲しい!
素敵なグッズが沢山生まれそうです。
素敵なTシャツがずらり掲載されています。
流石、ハルキムラカミ!
70代とは思えない、若いままの感覚!
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確かに夏はTシャツの出番が多いです!
ジャブジャブ洗濯出来ますし、毎日着ています。
オシャレTシャツは夏物に関してはなく、ユニクロを中心に、ライブで購入したものも多いです。
近所の買い物の時には、たまにTシャツで外に出ちゃいます。
昨日は禁欲と書かれたTシャツを着た男性とすれ違い(お嬢様でしょうか、ご家族らしき方々と歩いておられ、皆さん個性的な服を着ていらっしゃいました)、禁欲という文字から目が離せませんでした。
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“世の中が何かとざわざわ落ち着かないときに、腰を据えて読書にいそしむというのはなかなか良いものです。どうかしっかりいそしんでください。”
という文章が出てくるのですが、良い文章だなぁ・・・と思いました。
読書って心の余裕と時間がないとなかなか出来ません。
小さい頃から本に囲まれ、読書の習慣は知らず知らず身についていました。
怠けモノ一家なので、ごろりと横になりながら本を読む至福の一時。
引っ越しして落ち着いてきたのでしょう。
やっと本を手に取る事が出来るようになりました。
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学生時代ハルキニストの方が何人か周囲にいました。
本が出る度に話題になり、その都度何冊か読みましたが、熱狂的なファンになる事はなく、村上春樹よりも村上龍が好きでした。
文体が苦手だっだのですが、昨年、
『職業としての小説家』
新潮社
を読んでがらりと印象が変わりました。
苦手だと思っていた文章は、英語から日本語に翻訳をし、何度も修正を重ねたものという事を知り、すっと頭に文章が入るようになったのでした。
ぎこちない日本語だと感じていた違和感は、意図的につくられていたものだったとは!
英語の翻訳、と思うと、なるほど!と納得です。
日本語として不自然だと感じていた文章が、頭に入るようになりました。
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村上春樹氏の世界感が一貫して変わらない事もすごいと思います。
若かりし頃、奥さん大好きな不可思議な作家だという事を耳にしたのですが、プロとしての職業作家として意識のある、夢見る作家だなんてとんでもない誤解なのだと、今更ですが気がついたのでした。
奥さんが第一番目の読者で、アレコレアドバイスをしているというエピソードから、奥さん大好きな不可思議な作家というのは、言い得て妙で、奥様がいらっしゃらないとハルキムラカミの作品が完成しない由縁だな・・・と思いました。
つきあいたくない相手の誘いを断るためにも、不可思議な人というキャラクターをあえてつくっていたのではないかな、と邪推しています。
編集者含め、出版関連の方はクセのある厄介な方が多そうだもの。
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小説だけでなく、対談も素晴らしいので是非手にしてみて下さい。