空気を読む脳
講談社+α新書
860円(税別)
購入した経緯は以下の通りです。
①田中みな実と中野信子のラジオ対談を聞いた同僚が熱心に本書を読んでいました。
②電車の広告でも本書を見かけました。
③本屋で本書を見かけ手に取りました。
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本書は「日本の信性について、脳科学を中心とした科学的なエビデンスもとに論じ」られます。
日本に限らず、世界共通、人間(だけでなく生物)に備わった事柄の内容も多いです。
脳科学、面白いです。
今年も大きな被害を出している「サバクトビバッタ」の生態も驚きでした。
とても読みやすい一冊で、重版をしているのも納得です。
2020年2月発行、7月で6刷。
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本書で印象に残った項目は「褒めるは危険」「褒め方には注意が必要」という事です。
抜粋しながら要約すると以下の通りです。
“「頭がいい」という褒め言葉に直接的にも間接的にもさらされ続ける環境で教育を受けてきた「優秀」な子どもたちは”(中略)“「必要な努力をしようとしなくなり」”“「頭がいい」という評価から得られるメリットを維持するため、ウソをつくことに抵抗がなくなる”
“「“捏造”“改竄”“記憶の紛失”“記憶違い”が頻発する昨今」(中略)周囲から「すごいね」「頭がいいね」と褒められ続け、そんなふうに育ってしまっただけなのかもしれない”
・・・社内を見渡すと「良い子」で育ってきたコ、で、偏見かもしれませんが特に末っ子でその傾向がある印象があります。
そういう平気でウソをつくコが部下にいると本当に困ります。
指摘せず、見過ごし、トラブルに巻き込まれない事が一番良い、とアドバイスを受けましたが本当に難しいと思います。
何でこんな(ささいな事で)ウソをつくの・・・?と脱力してしまいます。
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一回り違う従姉妹も、呆れる位褒められて育てられました。
確かに勉強も運動も音楽も(芸術的な事も出来るかな?絵や工作が得意な親族は沢山いるので)何でも出来る子なのですが・・・。
直接的には姿を見ていないので、どんな大人に育ったかは分かりませんが・・・
褒めて育てるって大事ですが難しいな・・・と思います。
大人になるにつれて、父親がいうほど自分はイケテイナイ!と気づいたようなので良かったですが・・・。
本書でも容姿の事に触れられていますが(苦笑)、「外見で得していたのは男だった!」というのは意外でした。
学生時代、イケメンは得をしますが、社会人になるとイケメンが得とは思えなくなりましたので(単なる僻み?)。
モテでは得をするのかもしれませんが、落ち着いた生活、堅実な生活というと得かどうか・・・。
因みに(特に父親から)褒められまくって育てられた彼女は現在官僚になっています(日本大丈夫かな・・・)。
従兄弟は双子。
一方の男子は自信のないコに育っています。
(そんなことないのに!女子は発達が早いのでどこかで力の逆転があったはず)
早くから負けを感じてしまうと、どこかで乗り越えるきっかけをつくらないといけないのだな・・・と他人事ですが感じています。
とにかく自分に自信がないコなので・・・
免許を取得したら偉い!
電車に乗って学校に行っただけで偉い!(電車が苦手なのです)
・・・とにかくささやかな事でも褒めらています。
彼女は努力して官僚になったにも関わらず、親からは(激務なので)やめておけ・・・といわれるので、弟は何しても褒められているのに、私は褒められない不公平だ!と感じているようです。
褒めて育てる・・・大人になっても難しい育て方だとしみじみ思います。
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“「学習→即睡眠」の驚くべき効果”
これは本当だと思います。
身近に、寝転がりながら本を読んではぐうぐう寝ており、一日の大半を寝て過ごす怠け者がいます。
受験生の時の姿です。勉強していたかな・・・。
東大に合格しました。
皆さんのイメージにあるような机に向かって猛勉強!という姿はなかったです。
(そして東大生には実際こういう人たちがゴロゴロいる)。
知能テスト、統一テストをすれば、県内1位(満点だったりするんですもの)、全国で何位という順位でしたので、頭脳は半分以上遺伝や見に備えた能力で、努力で何とかするものではないと早々に悟ってしまい努力を怠った自分・・・今思うと「喝!」を入れたいです。
努力も必要です。
努力である程度何とかする事が出来ます。
(突き抜けたところに到達するためには努力だけではどうにもならない部分もありますが)。
ともかく、身近な例を見ていても、勉強した後に睡眠を取ると記憶が定着する、というのは本当だと思います。
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「おわりに」を読んで著者中野信子さんの悩み、疑問を知る事が出来ました。
意外な悩み~!
私は「それ」(ネタバレしてしまうので説明をしません)のスイッチが入りやすいと思っているので、本当に意外に思いました。
脳の研究をしようと至ったのはすごいと思います。
自分なら心理系に行ってしまいそう。
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本書を読んで、同僚が興味を持った内容(困った人に対する対応を知る)とは若干違う印象を受けましたが、なるほど!と納得するものもあり、面白い本でした。
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小さな頃(未就学児童)の記憶は「大人も含め周りの人たちは何故、(結論が駄目だと)分かっているのに引き返さずに行動するのか」&(キリスト教系の幼稚園に行っていたので)「神様なんていない」。
我ながら厄介な子供・・・(苦笑)。
数十年たった今は、「(世の中)未来は良くなっていくものだと思っていたが、どうやらそういうものではない。後退する事もある」と思っています。
基本的に楽観主義者ですが、どうやら世の中そううまく進むものではないようだ、という事を感じ始めています。
悲しいなぁ・・・(大きな意味で)未来はどんどん良くなっていくもの、と思っていました。
まずは自分の周りを良くしていこう!と思います。
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皆様の明日も良い一日になりますように!