ヴィオラ母さん
私を育てた破天荒な母・リョウコ
1300円(税別)
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漫画家ヤマザキマリさんのお母様のお話です。
コロナで日本長期滞在を余儀なくされているヤマザキマリさん。
テレビで見ない日はないという位、ご活躍されています。
北海道で育ち、17歳でイタリアに渡ったというお話から、一体どんなご家庭で育てられたのだろう??と思っていたのですが、想像以上の母親リョウコした。
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リョウコとカタカナで書かれているのも良いですね。
私の知っているリョウコさんは良子さん。
亮子?涼子?遼子?綾子?量子?菱子?椋子?・・・・
漢字って本当に凄いと思うのですが、漢字にすると同じ「リョウコ」でもイメージが変わります。
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昭和8年生まれのリョウコさん。
神奈川県生まれの想像通りのお嬢様育ちの方でした。
そのまま何不自由なく生きていき、家柄の良い、高収入・高学歴の男性と結ばれる道を歩いて行くのではなく・・・27歳の時に札幌交響楽団設立の情報を知り、勤務していた会計事務所を辞め、勘当同然で家を飛び出します。
実家を離れ、北の大地でヴィオラを奏で、シングルマザーとしてたくましく生きていくとは夢にも思わなかった事でしょう。
人生とは分からないものです。
改めて身分制が(全くと言っていいほど)ない日本、生まれや育ちだけでなく、自分の力で運命を切り開く事が出来る日本って、本当に良い国だなぁ・・・と思いました。
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小学生の頃、学校を休み、家族で旅行に行く同級生がいました。
子ども心に何て親なんだろう?と思っていました。
中学生になり、自宅に遊びに行ったところ、世界中のお土産が並んでいるのを見て、事情が良く分かりました。
リョウコさんも、子どもに学校を休ませる親です。
演奏旅行中はリョウコの友人や知り合いの家に子どもを預けますが、時には長期間学校を休ませ、演奏旅行に連れて行きます。
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ほとんど休みなく働くリョウコ。
破天荒な行動も度々とります。
ヤマザキマリさんが小学校2年生の時には子どもを置いて海外演奏旅行に行きます。
妹と北海道に残されるマリさん。
自宅から1時間ほど離れた家に預けられ、学校から渡された教材を自主的に家庭学習する事になったそうです。
一日中ずっと家にいるとなると、同じ年頃の子どもがいるとはいえ、預かるご家庭も大変だったことでしょう。
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破天荒なエピソードだけでなく、読み応えのある一冊です。
リョウコさんは今でも時々やってくるお弟子さんにヴァイオリンを教えているそうです。
素晴らしい。
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(コロナが拡大しているのでいつになるか分かりませんが)実家に帰ったら母にこの本を渡そうと思います。
父親がヤマザキマリさんにやたら詳しいのですが、「あさイチ」も見たんだろうな・・・。
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皆様の明日も良い一日になりますように!