最後の秘境
東京藝大
天才達のカオスな日常
二宮敦人
590円(税別)
☆☆☆☆☆
話題になった本の文庫本です。
漫画は昨年読んでいたのですが、原作本を見かけて手に取りました。
美術と音楽で全然違うというのも面白いです。
天才って凄い!!
発想が全然違う!!
しかし、天才と言えども、努力と苦痛が伴う世界・・・!
学生として過ごす時間は宝物だと思います。
☆☆☆☆☆
自分も音楽科がある学校に通っていました。
音楽科の学生達の優雅な姿はイメージがつきます。
藝大は日本一の方々が集まる大学です。
音楽科では合格レベルに達しない場合、合格者なしという年もあるというお話も聞きます。
色々凄そうです。
皆ライバルっていうのも恐ろしい・・・!!
師匠についていきますし、とにかくお金がかかる世界・・・。
見目麗しい姿も必要・・・。
☆☆☆☆☆
全然話が違いますが、姪はピアノに興味があるようです。
幼稚園のプレレッスンで「片手で弾きなさい」というのに言うことを聞かず両手で弾いたので、先生にぴしゃりと手をたたかれたそうです。
姪は「もう、いかない」と。
興味があるのに何とももったいない話です。
姪もこうと決めたら言う事を聞かないので、予め先生に伝えておけば良かったね・・・と我が父母達は話をしていました。
音楽は特にワガママなこだわりの強い先生が多い世界だと思います。
自分の言うことをきかないからと言って、プレレッスンの時に思い通りにしようとする姿勢は教師としていかがなものか、と思いました。
まずはピアノを好きになろう!で良い気がします・・・。
姪は新年に実家でお姉ちゃんはいないの?とピアノを前に悲しそうにしていたそうです。
1年前、一緒に弾いたのでした。
幼稚園児ならがら恐るべき記憶力!なので、姪は侮れないです。
弟よ、自分もピアノを習っていたのだから娘と一緒に弾こうよ・・・。
☆☆☆☆☆
本のお話に戻ります。
作者の奥様のエピソード、“芸術の時間”がとても好きです。
母親、妹、従姉妹4人で海外旅行に行った時のエピソードです。
順番前後しますが、本文から抜粋しながらご紹介します。
階段の踊り場にある羽の生えた勝利の女神、頭部と両腕が失われている彫像です。
“「旅行に行った時、大変だったのよね!」
妻のお母さんが、腕組みしながら苦笑した。”
1時間位みていて、「“まだ見る?って聞いたら、見るって言うわけ。じゃあもう、好きなだけ見なさいって」”
“同行者がすっかり飽きてベンチで昼寝し始めるなか、ただ一心不乱に。
人が芸術に触れる時、時間の流れは少し普段と変わってしまうようだ。”
“えんえん五時間以上も「サモトラケのニケ」だけを見つけ続けたという。”
「好きなだけ見なさい」って、一体どれだけの人がこの言葉を言うことが出来るでしょうか?
ベンチで待っていた母親、妹、従姉妹も優しい!
☆☆☆☆☆
旅行者用には美術館や博物館出入り自由のフリーチケットが販売されています。
日本にもありますが、海外旅行をする際には事前にそういうチケットがないか確認します。
チケット購入の時間短縮にもなりますし、お得なチケットが多いです。
フランス滞在中(東日本大震災直後にもフランスに行きました・・・。日本人だと分かると皆さんとても優しかったです)、他の美術館巡りをしつつ、何日にも分けて、複数回ルーブル美術館に足を運びました。
誰もいない部屋も多く、貸し切り状態になっていたのがとても印象に残っています。
沢山展示されているので疲れてしまう、という事も原因だと思います。
こんな名画があるのに誰もいない!ととても得をした気分になりました。
サモトラケのニケ、展示の仕方もとても素敵です。
五時間以上も見ていただなんてそれも凄いです。
美術館巡りは興味がない人にはちょっと辛い時間だと思います・・・。
☆☆☆☆☆
コロナ禍以後、1度しか美術館に行く事が出来ていないので残念です。
いくつもの展示が中止になってしまっていると思います。
早く自由に美術館巡りをしたいです。
☆☆☆☆☆
皆様の明日も良い一日になりますように!