世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
経営における「アート」と「サイエンス」
山口周
760円(税別)
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コロナ禍で変化が起きたと感じているのは、自身の判断で決断して行動していかなければいけない状況が増えている、という事です。
個人レベルでそう感じるのですから、特にリーダーが周囲に与える影響は大きくなっています。
今まで以上にその場その場で重大な判断が求められています。
コロナの問題は人の命に関わります。
迅速でありながら、丁寧な対応が求められます。
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先日テレビで地方の取り組みが紹介されていました。
(岐阜モデルかな?お家にはテレビがないのでチラ見です。どこか分からずすみません・・・)
リーターの決断だけでなく、職員ひとりひとりが判断して行動する必要が迫られている、と報道されていました。
「今までは(国などからおりてきた制度を)何も考えずに指示に従って(仕事を)していましたが、今は本当にそれで良いのか?と考えて行動しています」
と言う職員の言葉が印象に残りました。
今までは指示されたことを何も考えずに処理する事を求められていました。
役所では意見を言うと余計な仕事を増やすなと言われた、という話を良く耳にしました。
今は「考える力」が必要になり、その考えをひとりひとりが実行していく事が大事になっているのですね。
財源削減で職員の数も減っていますし、余裕たっぷりで優雅な役所仕事をしている方は一握りで、皆さん忙しい思いをされていると思います(余談になりますが公務員は給与が高いと言われても、それなりもしくはそれ以上のお仕事をされている方が多いと思います)。
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自分で考えて行動すると言っても、自分の私利私欲のために行動されては困ります。
倫理観といえば良いのでしょうか。
自身だけでなく、周囲も良くなる行動が必要だと思います。
自分で考えて行動する際に、自身の中に ぶれない軸があるという事は大事です。
「お天道様が見ている」
という言葉があります。
自分の都合ではなく、広い視野をもって、他者に恥じる事のない選択をする事が必要なのだと思います。
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「美意識」がなぜ必要になってきているのか?
その事が本書には分かりやすく記載されています。
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数年前の講演になりますが、糸井重里さんが「ビジネスにアート(性)はものすごくある」とお話されていた事を思い出しました。
講演の中でさらりとお話されていたので数分の言葉でしたが、ビジネスとアートの共通点が沢山あると感じられているのでしょう。
(ビジネスだけでなく生きていくうえでも)何にでもアートに通じるとお話されていました。
Wikipediaを見たらアートとは芸術・美術など間接的に社会に影響を与え得るものである、と記載されていました。
「アート」というと、美意識とか、こだわりとか、公共性だとか・・・?
本題ではなかったので多くは語られませんでしたが、そのような事が、会社の経営にも必要だと糸井重里さんは日々感じられているのではないでしょうか
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本書は2017年が初版です。
この「美意識」の感覚は益々必要になっていくのではないでしょうか。
コロナ禍のなか、いくつかの講演を視聴したり、本を読んだりしている間に、「美意識」とはいいませんがこのような感覚について語っている方が多く、共通点を感じます。
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「エリート」とされていますが、私たちひとりひとりにも必要なものだと思います。
特に日本は「美意識」が高い国で、(戦前から)訪れた外国人が驚いたそうです。
江戸時代、ふんどし姿で裸に近い民族が(女性も半裸で平気で歩いていたようですし)、礼儀正しく、手仕事も綺麗で、清潔に暮らしていると知った時の驚きは大きかった事でしょう。
海外の美術館に行った際に「日本館」を見ると、今まで見てきた美術品とは異なる、不思議な美しさに気づきます。
長い時間をかけ受け継がれている美意識を大切にしたいと思います。
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「美しいもの」を見るってとても大事です。
心が洗われます。
最近は花を愛でながら、自然の美しさは凄いなあ・・・と感じています。
中野信子さんの著書には子どもの例が紹介されていましたが、子どもだけでなく、大人も絵を見ながら感想を伝え合うと脳が活性化し、視野が広まるそうです。
中野信子さん、藝大に通われているのは美術がお好きだから?と思っていましたが、認知神経科学者の側面からの興味からと言う事も大いにありそうです。
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普段何気なく暮らしていますが、「美」を意識すると日常が違って見えるかもしれません。
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皆様の明日も良い一日になりますように!!