Hello!!Work
僕らの仕事の
つくりかた、つづきかた。
聞き手=川島蓉子
語り手=皆川 明
1600円(税別)
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昨日奥様イイノナホさんの本だったので、本日はご主人の皆川明さんの本をご紹介します。
経営の話、と言う事で、デザインの本ではなく、ガッツリ経営のお話でした。
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とても凝った作りの本です。
栞も可愛いです。
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皆川明さんは1995年に「ミナ」を立ち上げ、2003年に「ミナ ペルホネン」に改名。
ファッションから始まり、インテリアや食器など幅広い商品を取り扱っています。
企業とのコラボ商品も多いです。
直営店ではセールをしません。
服は流行に流される事がないデザインです。
余談になりますが、ストン・・・としたデザインも増え、躊躇する服も多いです。
ダボっとしているものだけでなく、上品なデザインももう少しあっても良いのではないでしょうか?と個人的には思っています。
高価なので若者をターゲットにしていないという事もあるのかもしれませんが・・・。
年配の方がミナペルホネンのコート着こなしていて、素敵・・・!と思った事が何度もあります。
(たいてい銀座なので直営店と言うよりも松屋等のご利用かもしれません)
アーカイブを販売していますし、以前取り扱った布を使ったりするので、取り扱いアイテム数は相当な数になっています。
以下に出てきますが、一度に大量生産をせず、時間をかけた結果、大量生産となっています。
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皆川明さんはデザイナー、経営者というより、職人のようなイメージがあります。
強いリーダーのイメージもありません。
「100年つづける」ために、コツコツと仕事をしている印象があります。
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聞き手:川島蓉子さんの“はじめに”より抜粋します。
“「ミナペルホネン」の軌跡には業界のルールと異なることがいくつも含まれている”
“すべての布をゼロからつくるブランドは、世界のファッションデザイナーの中で稀な存在と言っていい。”
“一度に1万枚ではなく、10年、20年かけて1万枚を作っていく”
“働く事が年齢で区切られるのに疑問を抱いた皆川さんは、東京・青山にある「コール」という店を開くにあたり、ショップスタッフの年齢制限をはずした。90歳を越えた人も働ける場を作ったのである”
“人は本来、お金のためだけでなく、嬉しいという感情的な喜びを得る為に働く”
“皆川さんがやってきた仕事と、そこに込められた視点は、働くことをはじめ、多くの人が抱いている疑問へのヒントになるのではと筆をとった”
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本を読んでいて、良く出てくるキーワードが「記憶」です。
2020年7月~11月に行われた『つづく』という個展では、一般公募で集められた服と服にまつわる記憶、エピソードが展示されていました。
ひとつひとつ、とても印象に残っています。
(余談になりますが、東京都現代美術館には100本のスプーンというレストランがあります。
美術館にはすてきなレストランがあることも多く、鑑賞を楽しんだ後の食事も楽しみのひとつです。)
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「袖を通すと喜びを感じる服」というものが確かにあります。
ミナペルホネンの服は特別な服、喜びを与える服、という位置づけにあるのではないでしょうか。
特別な服だからこそ、服にまつわる記憶が深く残るのだと思います。
高価な服だから、というだけではなく、布をつくる工場の方など作り手の思いが沢山詰まっているからだと思います。
背景に様々なエピソードが詰まったものは、人のこころを打つのだと思います。
日本のものづくりには人のこころを打つ精神が引き継がれていると思います。
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皆川明さんの言葉を抜粋します。
“少し極端に言うならば、人は「記憶」を作るために生きていると言っていいかのかもしれません
(中略)「記憶」とは、時間が経って、より豊かに熟成していくものだから。
(中略)労働の本質は、働いて嬉しいという「記憶」を持つことにあると思っています。”
“僕の中には、労働の満足とは報酬だけではない。他者の利益や幸福に貢献できることが尊いという考えがあるんです。
(中略)労働には、金銭的な価値と感情的な価値の二つが含まれていると、僕は考えています”
“ちょっと冗談みたいな話ですが、相手を理解し、その気持ちになれると自分自身が思えれば、実は誰もが理解し協力し合えるのではないかと思っています。
(中略)たとえ成果が劣ったとしても(外部のプロジェクトベースのチームではなく)社員を主体にしていくことが健全ととらえられているのです。
(中略)外部に委託すると、できあがったものを恭しく受け取って、良いか悪いかの前に、受け留めてしまう。
(中略)自分たちで考えて揉んでいくということ、実感として自分たちがやったぞという感覚は、凄く大事なことじゃないかと思います”
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最近、経営やマネジメントの本を読むようになったのですが、「社員ひとりひとりが考えて行動する」という事が良く書かれているのではないか?と思います。
変化が激しい事もあり、コミュニケーションが良く取れ、風通しの良い会社、小回りの効く会社が生き残っているのかもしれません。
ほぼ日と同じような・・・。
現在の上場株式会社の体質、大会社の体質では合わないのではないかな・・・と読みながら感じました。
株主に目を向けた経営ではうまくいかなくなってきているのかもしれません。
大きな会社でも組織毎の単位は小さなものになります。
今後AI化が進むと、コミュニケーションが良く取れ、社内の風通しが良く、決断力が早い、このようなスタイルの会社が増えていくのかな・・・?とも感じました。
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後継者の話、何となくフラットな感じなのだなぁ・・・と以前から感じていました。
お子様に引き継ぐのかな?と勝手に思っていたのですが、イイノナホさんとの間のお子様はいらっしゃらない様子(イイノナホさんの前夫の子どもたちの様)、と昨日知りました。
後継者問題、良い意味で力が入っていないと感じていました。
トップダウン方式を望んでいない、という事は、推測になりますが、子どもに引き継ぐと考えていない背景もあるのかな?と思いました。
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持っているだけで嬉しくなる、気持ちが高まる、というものがあります。
ミニマリストに憧れますが、自分には難しい・・・!
焦らず、好きなものに囲まれて暮らす生活を続けていこうと思います。
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皆様の明日も良い一日になりますように!!