全5巻 限定BOX
2593円(税別)
別冊NHK
100分de名著
時をつむぐ旅人
NHK出版
1210円(税込)
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昨日に続き、萩尾望都さんの本です。
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ポーの一族は1972年に連載が開始されました。
約半世紀前の作品!
全く古さを感じさせません。
萩尾望都さん唯一無二の存在感。
天性の天才です。
長島茂雄さんのような天才です。
昨日ご紹介した本の中で、城章子さんが的確で分かりやすいエピソードを(愛と尊敬を込めて)紹介しています。
“(中略)萩尾先生の場合、どんぶらこっこと川を流れる桃を描くとなり「桃の点を打って」と(中略)指示を出した時があったんですね。アシスタントが桃に点々を打って出したら、先生が「いや、石じゃない、桃の点を打って」と。アシスタントが「え?っ桃の点はどうやったら打てるんですか?」って聞いたら「桃、桃と思いながら打つ」って(笑)。ダメでしょう、そんな教え方じゃ。”
「スーッと来た球をガーンと打つ」という長嶋茂雄氏の感覚的な指導。
2人の天才の共通点を感じませんか?
夢枕獏さんは萩尾望都さんを良くご存知なので、長嶋茂雄さんと並べられたのだと思います。
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萩尾望都さんは70歳を超えた現在も連載をされているそうです。
凄いです!!
100分de名著には本人のインタビューが掲載されています。
抜粋
“ただやはり絵が変わりました。ほんとうに絵が変わってしまってすみません。絵というのは生ものみたいなものですか、賞味期限があるんです。二十代は二十代の絵、三十代は三十代の絵、六十代には六十代の絵が待っているんです。怖いですよ。その歳にしか、この時期にしか描けない作品というのも確かにあるので、アイデアは賞味期限があるうちにどんどん描いたほうがいいですね。”
絵ってご本人と似ている場合が多いと常々感じています。
ポーの一族の表紙と萩尾望都さんの写真を見比べても、雰囲気がとても似ている!!と思いました。
20代の絵はとても可愛らしいです。
100分de名著の右下の絵は、凄みというか・・・やはり書き手の熟練感が漂う絵になっています。
大きく絵柄が変わってしまう作家さんもいますが(意図的に作品毎に変えている方もいますし、どんどん上手になっていく方もいます)、萩尾望都さんはそれほど絵柄が変わっていないと思います。
絵柄が変わらない作家さんは本当に凄いな、プロなんだな、と思います(長く続けていると変化をつけたくなってしまうもの・・・)。
どんな世界でもプロ、一流の方は、一定水準のもの(クオリティの高い物)を長く出し続ける事が出来る人達だと思います。
そして後に続く人達に大きな影響を与える方です。
(TVがないもので・・・)100分de名著の番組は見ていませんが、様々なジャンルの方達に大きな影響を与えています。
今もなお世代を超えて影響を与えているのは改めて凄い、と思いました。
日本の古典を見ていると漫画文化はずっと続いていると感じます。
絵巻物も、言葉が聞こえて来そうな絵が沢山あります。
思わず台詞を書きたくなる絵もありますし、江戸時代の挿絵など、漫画じゃないか!格好いい!!と思う物が沢山残っています。
1000年以上残る和紙の耐久性も素晴らしい・・・(ため息)。
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最近の出版物だけでなく短編傑作集等でも萩尾望都さんが話題になっています。
腱鞘炎などで筆を握る事が難しくなっている作家さんもいるなか、健康に留意して末永く作品を生み続けていただきたいです。
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最近ラジオでは浦沢直樹さんが良く登場されています。
一人で世界感を生み出す漫画家はやはり凄いと思います。
名作が次々と生まれています。
漫画は日本が世界に誇る事が出来る文化のひとつだと思います。
再来週は『『進撃の巨』最終感の発売日・・・!!
気がついたら最終巻の予約が締め切っていたので手に入るか分かりませんが・・・。
初連載というのが信じられない、完成度の高い作品です。
天才!!
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父も漫画好きですし、漫画が制限されない家庭で育った事に感謝しています。
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皆さまの明日も良い一日になりますように!!