幸せ感じる☆日々の暮らし

日々の暮らしを綴っています。好きなものは繋がっていく・・・。良いな、と思う物をご紹介しています。プロモーションなし。今日も明日も良い一日になりますように。

【382】幽霊塔(読書感想文106)

幽霊塔

江戸川乱歩

岩波書店

2200円(税込)。

 

f:id:manana55:20210809202246p:plain

カラー口絵も読み応えがあります。

 

f:id:manana55:20210809202545p:plain

しおりがオマケでついてきます。

 

f:id:manana55:20210809202647p:plain

物語はつながっていくのです・・・。

幽霊塔へようこそ展は2015年5月開催でした。


☆☆☆☆☆

昨日に続き、ジブリ美術館で購入した本の紹介です。

 

宮崎駿氏が小さな貸本屋で出会った江戸川乱歩の『幽霊塔』。

 

ものすごく面白かった、という『幽霊塔』。

 

2015年の5月に企画展「幽霊塔へようこそ展」が展示されました。

 

江戸川乱歩の『幽霊塔』には原作があります。

 

江戸川乱歩は少年時代熱海の貸本屋で『幽霊塔』に出会います。

 

こちらは黒岩涙香(るいこう)の作品です。

 

上の栞は右側の萬が黒岩涙香1862年生まれ)、左側が江戸川乱歩(1894年生まれ)です。

 

黒川涙香は自由民権運動で有罪判決を受けていたり・・・時代を感じます・・・。

 

黒岩涙香タブロイド判の日刊新聞「萬朝報」(よろずちょうほう)を創刊し、執筆していたため、栞の絵では背中に萬の字をしょっています。

 

黒岩涙香は気に入った海外小説を彼なりの解釈を入れつつ翻訳小説として「萬朝報」にて勝手に連載しています。

 

ということで黒岩涙香の幽霊塔にも原作があります。

 

原作はアリス・M・ウィリアムスンの『灰色の女』です。

 

黒岩涙香の幽霊塔は舞台がイギリスになっています。

江戸川乱歩の幽霊塔は日本が舞台になっています。

 

幽霊塔の元は19世紀から続いており、物語がつながっていることが分かります。

 

☆☆☆☆☆

コチラの『幽霊塔』は中学生も読むことが出来るようにふり仮名を増やし、校訂されています。

 

1962年の桃源社版をもとに注釈を入れているため、注釈の金額は現在の価値とは大きく違っています。

 

ハラハラ、ドキドキの怖い話・・・ではなく、ところどころで主人公北川光雄が回想の語りを入れてくれるので、ハラハラ、ドキドキしながらも安心しながら読み進める事が出来ます。

(語りがなかったら先が読めないので、かなり怖いお話です)。

 

☆☆☆☆☆

春のお話なのですが、夏休みの読書にぴったりな一冊。

 

一気に読み進めました。

 

面白かったです。

 

宮崎駿氏のカラー口絵も読み応えがあります。

 

↓コチラの本では大きな画面でカラー口絵を読むことができます。

manana55.hatenablog.com

 

☆☆☆☆☆

皆さまの明日も良い一日になりますように!!