更科日記
江國香織訳
川出文庫
600円(税別)
平安時代の旅はワイルド。
どこかに宿はないかしら?と民家を借り(え??)、家人は外出中のため家に残っていた使用人たちは見知らぬ人々が寝泊まりするので鍋などを盗まれないかと寝ずに番を・・・
すごい話だな、とかすかに記憶が残っていたのですが・・・
(確か古文の問題をといていて出てきた話・・・)
『更科日記』でした。
☆☆☆☆☆
『更級日記』は1020年~1059年の事が回想形式で記載されている日記です。
源氏物語を読みたくて・・・の少女時代の印象が強いのですが、今回初めて新訳で読みました。
江國香織さんの訳なのでさくさく読む事ができます。
少女時代から中年時代まで・・・こういうお話だったのですか!
菅原道真の子孫・・・。
江國香織さんの後書きも面白かったです。
余談になりますが母の異母姉は『蜻蛉日記』を書いた藤原道綱母です(まさに今放映されている大河ドラマの世界・・・。愚痴物語というよりは、主人公が話した通り自慢話?Wikipediaによると兼家の和歌が沢山紹介されているので兼家にも協力してもらって作成した広告ではないかという説もあるそうです)。
古典、好きでした。
書いてあること、意外としょうもないこともあったりして(苦笑)。
書いた人たちも人に読まれることを意識していたとはいえ、こんなに長く読み継がれるとは思っていなかったのではないでしょうか。
1000年以上前のお話・・・人間の本質って全然変わっていないところが凄いです。
☆☆☆☆☆
『更科日記』は父親が赴任していた東国・上総の国府から京の都へ帰国するところから始まります(回想なので中年になってから書いています)。
本書を読んだ後、偶然ですが、所用があり、市原市を訪れました。
1020年のことだそうなので、1000年以上も前の出来事です。
当時の庶民の建物はまだ竪穴式住居に近い形との説があるので・・・さぞかし見通しが良かっただろうな・・・。
本当は海にも行ってみたかったな・・・(所用を済ませてトンボ帰り)。
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皆さまの明日も良い一日になりますように。