別冊太陽スペシャル
芸術は覚醒を要求する
2500円(税別)
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書店に行くと、買いたい!と思う本が1冊もなく手ぶらで帰る場合と、この本とこの本とこの本!あとこれも!とアレコレ読みたくなり複数の本を買い込む場合と2パターンあります。
昨日は後者で、珍しいサイン本などもあり、嬉々として本を手にしていました。
松井冬子さん、相変わらず美しいなぁ!と思いジャケット買いした一冊です。
棚に一冊しか置いてなかったのですが、両手で本を抱えていたので、中身を確認せず購入しました。
自宅でページをめくり、「♪」気分が一気に冷める事になります。
「!!」
衝撃。
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そうでした・・・。
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以下“”の部分は本書からの引用です。
インタビューには“今まではわりとカウンターカルチャーを狙って、いかに個性を打ち出して勝負をかけるかという強迫観念ばかりが自分の中にありましたが”という言葉がありました。
やはりある程度狙って描かれていたのですね・・・。
女性や植物、犬を多く描いています。
内臓が飛び出している女性や幽霊、“人体が死語、腐敗して白骨となるまでを九つの場面で描き分けた「九相図(クソウズ)」と呼ばれる主題(補足としてメラニー・イーストバーン氏の言葉を引用します“鎌倉時代に発生した九相図は、通常は高貴な女性の死体が腐敗する過程を表して、生と美のはかなさを強調する伝統的画材である”)「九相図」シリーズ”(10点のうち5点完成)など、思わず目をとめてしまう(ささっと見逃す事は出来ない)、心に訴えてくる絵が沢山あります。
九相図、以前古典の絵を見たことがありますが(学生時代にも目にした記憶があります)、断然松井冬子さんの日本画の方が生々しい!!
幽霊画は魔除けになると、一家に一枚飾ってあったという話もありますが・・・。
お家に一枚飾ってあったら怖いな・・・。
本書には、美しいけれど病的な、近づいてよく見ると恐怖を感じる絵などが沢山収録されています。
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藝大時代に注目され、美女だからと揶揄されている噂を耳にしたことがあります。
天才だらけの藝術大学で飛び抜ける為には、ただ綺麗な絵を描いているだけでは足りないのですね。
身を削って描いている感じがします。
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日本画ではないのですが、ヒグチユウコさんも似た雰囲気を感じます。
ヒグチユウコさんもとても美人さんだというお話・・・。
命を削っているのか!?金の亡者なのか!?と疑うほど大量の絵を描き、販売している印象があります。
筆も速いのだと思いますが。
ヒグチユウコさんも美しくて恐ろしい絵を描きます。
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松井冬子さんの話に戻ります。
Wikipediaも特に細かな記載はないのですが、博士論文は『知覚神経としての視野によって覚醒される痛覚の不可避』・・・・。
私生活はあまり明かされていませんが、美女すぎるのも大変そうです・・・。
本書に掲載されている赤ちゃんの頃の写真がとても可愛いです。
美女は生まれた時から可愛いのだなぁ・・・。
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(父が子どもの頃の友人について語っていた話を思い出したので例で使います)昔の子どもに例えると・・・
明るく元気なコが実はお家の中は大変な環境だったり、
物静かなコが実は良いお家のコで育ちが良かったり、
人って見た目では分からない事が多いと思います。
裕福で幸せな子ども時代を過ごした方が、暗い凄みのある絵を描く・・・と言うのは珍しくない気がします。
外見だけでは分からない内面の悩みを抱えていて、絵に表われるのかもしれません。
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読み応えのある一冊です。
刺激が強かったので、読み終えた後、明るい気分になる本を手にしてしまいました(苦笑)。
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18時過ぎにまた地震がありました。
家具の引き出しの取っ手がカタカタ・・・と鳴っていたので、「お隣さんが何かしているのかな?珍しい」と思っていたら揺れがやってきました(お隣さんごめんなさい!!)。
都内は震度3だったそうです。
大きな揺れが来たら大変だな・・・。
とりあえず、職場に置くためのスニーカーを買って来ました。
撥水加工もしてあるので雨の日も大丈夫です。
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皆様の明日も良い一日になりますように!!