岡倉覚三 著
村岡博 訳
大川裕弘 写真
バイ インターナショナル
2000円(税別)
岡倉天心の本名は岡倉角蔵、岡倉覚三さん。
10歳頃から漢学、英学を学びます。
東大を卒業した後、文部省に入省。
東京藝大の創設に加わり、校長になります。
生前は岡倉天心と呼ばれる事はあまりなかったそうです。
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本書は米国ボストン美術館で中国・日本美術部長を勤めていた岡倉天心が日本の茶道を欧米に紹介する目的で、1906年ニューヨークの出版社から出版されました。
ボストン美術館行きたかったけれども(時間の都合で)行けなかった美術館。
いつの日にか行きたいです。
ボストンは日本の京都のように例えられていましたが、落ち着いてとても良い街だと感じました。
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本文には漢文が登場しますが、原文では漢文は漢字で掲載をされているのでしょうか。
気になりました。
漢文の返り点を見ると、そこまでして漢文を読みたいか!と日本人の工夫に驚きます。
読み応えがある一冊です。
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“茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。”と記しています。
茶道は日本人からみても「???」な所作が多く、
茶道を習っている方も何故するのか分からないという所作もあり、
“茶道は美を見出さんが為に美を隠す術であり、現わすことを憚るものを仄めかす術である。”という一文を読んで・・深い・・・と改めて思いました。
楽しく美味しくいただければいいや!OK!と庶民の自分は思ってしまうのですが、凝り性の日本人、美を追究するととんでもない極地へむかって行きます(苦笑)。
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欧米に暮らすアジアの知識が深い日本人岡倉覚三氏が記したからこそ、欧米の方のアジア文化の誤解を解く鍵となった一冊となったのでしょう。
日本館が各国の美術館にあるのは、先人の方の努力の賜物なのでしょう。
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根津美術館で購入しました。
根津美術館で撮影された写真も掲載されています。
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皆さまの明日も良い一日になりますように。