宮崎駿監督・脚本・原作
2023年7月14日公開
124分
吉野源三郎さん作の『君たちはどう生きるか』。
本アニメーションの作成発表があった頃、再びベストセラーになっていたのでした。
中学生の時に読んだ『君たちはどう生きるか』。
本の内容はほぼ記憶にありません・・・が、本映画では「コペル君」は登場しません。
『君たちはどう生きるか』の本は登場します。
ジブリでは良くある、原作とは別物作品です。
☆☆☆☆☆
事前の宣伝なし、予告編もなし。
ジブリ映画では異例対応です。
公開されても映画パンフレットは後日販売(後日SNSで告知)、という異例づくし対応です(公開後も告知されていません)。
☆☆☆☆☆
レビューを見ると平均値は低評価です・・・。
ネタバレにならない感想を書きます。
結論から言うと、メッセージ性が強い映画です。
鑑賞者によって感想も、映画を観た印象も様々になるのではないでしょうか。
まさに賛否両論の映画でした。
映画鑑賞の際の注意点があるとすれば・・・集合体恐怖症の方には、ホラー映画・・・的な場面が何度か登場します。
☆☆☆☆☆
事前情報がほぼない状況での公開でしたが、都内の映画館は満員御礼の状況のようです。
子どもがいないレイトショーでの鑑賞だったのですが、満員でしたし、海外の方も多かったです。
レイトショーで満席は凄いです。
映画の中盤、中だるみのところで脱落者が数名発生しました。
笑いもほぼなく(近くの席の方がやたら反応していましたが・・・)、子ども向けでもなく(『崖の上のぽにょ』の時、映画館で子どもたちが合唱していたあの幸せな空気感の映画ではなかった・・・)、ある程度の年齢以上が見る映画でした。
映画の評価はともかく興行成績はどうなるか・・・。
楽しかった!!という娯楽作品ではないです。
死の匂いがする・・・という台詞が出てきますが・・・
生きる事を考える事は死を考える事。
「生」とともに「死」を感じる映画でした。
芸術的要素が強い映画です。
☆☆☆☆☆
ジブリらしい綺麗な絵です。
音楽もとても良かったです。
流石久石譲氏です。
映画公開前に米津玄師さんが楽曲を提供していると言う事は報道されていました。
とても素敵な曲でした。
☆☆☆☆☆
ジブリは今後どうなっていくのでしょうか。
血縁者に拘る必要は無く、才能ある方々を集め、アニメーターの給与水準アップなど業界改革をジブリで行うことが充分できたのではないか?と思いますが・・・
(『リトルマーメイド』を鑑賞した後、『君たちはどう生きるか』を鑑賞したので、余計ディスニーとの比較を感じてしまいました)
ジブリには映画作成だけでなく、様々な方々が集まってきていますし・・・
宮崎吾朗さんの後・・・映画監督として隔世遺伝でどなたか血縁者が救世主?として登場されるのでしょうか。
グッズ販売はしない!
アニメーションの会社だ!
アニメーションで勝負する!
という事も分かりますが・・・
グッズ販売のニーズもありますし、宮崎駿さんがいなくなったら、ジブリの販売手法も変わっていくのではないでしょうか。
映画館では冒頭の青さぎの絵のクリアファイルやポストカードなどが少し販売されており、その他の作品の販売が10倍くらいをしめていました。
映画館、苦肉の策。
グッズ販売は、作者・製造者・購入者、三方良しだけでなく、様々な恩恵を受ける方がいらっしゃると思うのですが・・・。
大事な収益源です。
その分、アニメーション、作品づくりにお金をかけられるのではないでしょうか。
変わらなくてよいこと、
時代とともに変わって良いこと。
会社の規模と共に変えなくてよいこと、
従業員を守るために変わらなければならないこと。
お金儲けではない!
・・・その通りですが、実際は巨額の資金を目の前に様々な方々が群がっている状態ですし・・・。
誰が今後コントロールをしていくのでしょう・・・。
そんなことを思ってしまいました。
☆☆☆☆☆
映画が終わり、映画館の出口へ向かう道すがら
『82歳の宮崎駿がこの映画を作った「スゲー」となるのか?』
と言う言葉が後ろから聞こえてきました。
精神的にはある一定のところから成長せず、高齢者も若々しいと感じるので・・・どうなのでしょうか。
「スゲー」?
(体力、精神力的には凄いと思います)。
☆☆☆☆☆
人生100年時代です。
これでお終い、ではなく、さまざまな年代の方々とディスカッションしながら、ワクワクする映画づくりにチャレンジするのはいかがでしょうか?宮崎監督。多様化の時代ですし。
オネーちゃんや他人の褌で私利私欲を得ようと考えている人たちの事は置いておいて、クリエイターたちと、世界中のあらゆる年代の方々をワクワクさせてください!あなたたちにはその力があります!
様々な願いを込めて、是非次回作を期待します!
何だかんだいって蓋を開けたら客入り上々だそうです。
賛否両論、論争を巻き起こしているわけですし、宮崎駿さんの偉大さと、アニメーターの力、日本が平和で豊かである事を改めて感じた映画でした。
☆☆☆☆☆
宮崎駿監督にちなんだ夏のお勧めの一冊を。
本作品の雰囲気にも似ています。
幽霊塔を映画化して欲しかったな。
結論:自己満足映画ではなく、皆が楽しむことができる、冒険活劇、ワクワクする映画を作っていただきたかった!
幽霊塔は江戸川乱歩作ですが、宮崎駿さんが考える幽霊塔を観てみたかったな。
全然別作品になるのでしょうけれども。
そういう意味では『君たちはどう生きるか』も冒険活劇!!なのかな~・・・。
☆☆☆☆☆
皆さまの明日も良い一日になりますように!!